ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

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2008年 05月 31日

PINACOTECA(サンパウロ州立美術館)

昨日は、所属する「ブラジルを知る会」の見学会に参加してきました。集合場所は、メトロ ブリガデイロ、行先はPinacoteca(サンパウロ州立美術館)とSala Sao Paulo(サンパウロ州立コンサート・ホール)でした。
 
朝9時半、パウリスタ大通りの集合に備えて、市内南部の我が家からは1時間と見て出発したものの、自宅を出てすぐの大通りでオートバイとバスの事故があり、道路を遮るようにして男性が横たわっていました。きっと轢かれたのか、ぶつかったのか、かなり悲惨な事故のようでした。その影響で大渋滞、パウリスタ大通りに到着した時は9時35分、と5分の遅刻でした。集合場所に行くと誰もいない!慌てて地下鉄の階段を降りると、あ、いたいた…日本人女性の団体さんがちょうど改札に入ったところでした。置いてきぼりを食った私は、別に怒ることもなく合流。何とか間に合って良かった!とにかくそこからメトロParaiso駅で乗り換えてLuz駅までは30分弱で着きます。メトロの車内で空いた席に素早く座る私を見て、みんな苦笑…!まあね、私はこの会の創設メンバーであり、長老(おばあ)でもありますからね!エヘン(笑)あっという間にLuz駅に到着しました。このように、Pinacotecaとは直結しています。ちょうどサンパウロの中心地点のところにあります。
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Pinacotecaについては下記を参考にしてください。
1905年に開設された州立美術館で、ルス公園に隣接しています。18世紀から20世紀のブラジルの美術品、絵画、彫刻、版画、陶磁器、家具、タペストリーなど約5200点の収蔵品があり、約1か月毎に各展示室のテーマが変わり、入れ替えが行われています。1995年にフランスのロダン展が開催され大好評でした。2、3年毎に大きな特別展が行われます。1998年に大改修が行われ、開館当時の雰囲気を壊さずに館内にエレベーターが設置され、鉄骨で補強されました。古さと新しさを巧みに合わせた改修方式に内外からの見学者が訪れています。(ジェトロ「サンパウロに暮らす」より抜粋)
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この建物の真横は、イギリス資本「サンパウロ・レイルウエィカンパニーが1895年から1901年の間に建設をした、サンパウロの鉄道の中心駅とも言える「Estacao da Luz」駅です。
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主にコーヒーを運ぶために、サンパウローサントス間を列車が走っていました。
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この駅の素材は、全て本国のイギリスから運んできたものです。しっかりした良質の鉄でできています。1990年に大改装が行われたので、大変綺麗な駅に生まれ変わりました。この駅から郊外に向かう列車は、主にJunjai、Ribeirao Pires,Moji das Cruzes方面に行きます。2012年には、グアルリョス空港まで延ばす計画があるそうですが、この国のこと、どうなりますやら…。駅構内です。SPRのマークが彫られています。
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とても美しいですね。しかし治安はあまり良くありませんので注意が必要です。
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さあ、Luz駅の説明はここまでとして、最初の目的地のPinacotecaに戻りましょう。この美術館は朝10時に開きます。既に多くの団体さんが到着しています。皆さんの目的は、移民百周年を記念する「O florecer das cores A arte de periodo EDOー色彩の開花 江戸時代の工芸展」が日本の文化庁とサンパウロ州立美術館協賛で開催されているからです。この企画は、元々4年前に来伯した、小泉元首相が確約し、実現にこぎつけたもののようです。さすが小泉さん、やりますねえ~♪学校の生徒もたくさん来ていました。この子たちは小学生のようです。他にも中学・高校・大学生とまんべんなくこの美術館を訪れていました。
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どんどん学校の生徒でいっぱいになりました。もちろん展示場内では一切撮影禁止のみならず、メモを取ることも許されませんでした。無駄に人がたくさん立っていて、展示物を見ている我々を凝視するのが気になりました。もし気を利かすとすれば、少しだけ展示物の説明ができるような日伯語に堪能な専任ボランティアを置くべきだと思いました。何も知識のないブラジル人の意地悪な監視員ばかりではせっかくの国宝や重要文化財もじっくり見られません。これが少しだけ残念な点。
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今回の展示品は、国宝『太刀・銘正恒』をはじめ、染織品、武器・武具、陶磁器、漆芸品など重要文化財八点を含む、日本全国十八か所の美術館・博物館から厳選して集められた作品、合計百六十六点が展示されました。『江戸時代』を同展の主要テーマに、「着物」、「焼き物」、「漆芸」、「サムライ」の四つのコーナーに分け、工芸品を代表する陶芸品・漆工品・染織品について、その変遷がわかる名品を展覧し、華やかで繊細な技と美を紹介。「サムライコーナー」では、具足や刀剣などを展示し侍の世界の一部を紹介。

全部で7室に分かれており、テーマごとに綺麗に展示されているので大変見やすくまた見応えもありました。ひとつ忘れられないのが、漆器でできた「香枕」を「Travesseiro Aromatico」(アロマ枕)と訳してあったことです。引きだしになっていて中にお香が焚けるようになっているという優れものでした。江戸時代の人たちの知恵に感心したとともに、今NHKで放映されている「篤姫」と重ね合わせて、みなさんと「着物が地味だねえ」とか「着物の丈が短いね」などと賑やかにお話ししながらも楽しく見学をさせて頂きました。私は陶器好きなので、ずっと備前や古伊万里に魅せられて動けませんでした。

夢中になって見学していると、ついついここが日本の反対側のブラジル・サンパウロだということを忘れてしまいそうになります。これだけの名品が一度に見られる機会もあまりないと思いますので、サンパウロにお住まいの方も近郊にお住まいの方も是非このPinacotecaに足をお運びください。6月22日まで開催されています。入場料も格安でR$4,00(約240円)しかも土曜日は無料です。美術館の中はブラジル人作家の絵が多く展示されています。彫刻やオブジェも多く、かなり見応えはあります。欧州の画風の影響を受けた作品が多く展示されています。おかしなオブジェ!?
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まともな!?オブジェ(^^)う~ん、どうも芸術というのが分からん!
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この建物は3階建てになっています。元は絵画学校だったそうです。
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入る人たちと出る人たち(我々のグループ)ゾロゾロ…移動中。。。
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さあ、ここから駅を左手に見ながらルス公園を横切って昼食を摂るために移動します。途中の草花たちに癒されます。時節柄お花は少ないですね。後ろを振り返ると…Pinacotecaのカフェが見えました。ああ、一休みしたいっ!
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もうお腹が空いて死にそう!目的地はギリシャレストランです。明日に続きます…。

by beijaflorspbr | 2008-05-31 12:41 | ブラジルを知る会 | Comments(14)
Commented by ロビン at 2008-05-31 17:59 x
昨日は盛りだくさんだったのですね。Estacao da Luz駅は、まるで、ロンドンのパディントン駅そのもの!言われなければ、多分そうだと思ってしまうほどです。美術館見学も、とても充実していたようですね。結構、何人もの方々が参加なさっていたようですし。(後姿がみなさんお若そう♪)ネットの接続、うまくいきますよ~に!
Commented by yoxiwoo at 2008-05-31 18:25
お久し振りでございます!!!ヨシヲでございます。
少しの間お邪魔しないうちに盛り沢山で、すっかり浦島タロウです。
ルス(?)駅、オシャレですね~。ブラジルじゃないみたいです。ロビンさんも仰ってますが、「英国に行って着ました♪」と書いてあれば、「ふ~ん。」と信じ込んでしまいそうです
Commented by かしまし at 2008-05-31 20:05 x
圧巻!見ごたえのあるものばかりでした。充実した一日だったのですね。羨ましい限りです。私も働いては、貯金もして、この目で見てみたいと心から思うようになりました。24時間がかり・・・体力が一番の問題ですが。それも今から鍛えることとして。がんばろうっと!
Commented by k_dino51 at 2008-05-31 21:47
駅がステキ!まるでヨーロッパみたいですね!
アーチ型の天井といい、ギャラリーといい。 
日本の駅は機能的かもしれないけど、ほんとに愛想ナシでつまらないですわ。
素晴らしい美術品が見られるのは羨ましいけれど、メモすらダメとは厳しいですね。
備前なんかもあったのですかー。
ブラジルの人から見たら、なんて地味なんだ!と思われるかもしれないけど、
奥が深い焼き物ですよね(^^)
Commented by beijaflorspbr at 2008-05-31 22:56
★ロビンさんへ
ああそうか!この駅に足を踏み入れた途端に、いつか来たことがあるぞ!?
と思ったのは、Paddington駅だったのですね。13年前に初めてロンドンに
行った時に泊まったのが、Paddingtonの近くでした。車でユーロトンネル
を潜って行ったので、駐車場付きのエコノミーホテルだった覚えがあります。
雰囲気も何となく似ているような気がしてきました。100年前のイギリス
資本の威力はすごかったのですね。圧倒されてしまいました。

ふふ、メンバーは皆さんお若い方ばかりで、私たちは「年上」になって
しまいました。後数年で入場料割引が効きそうです^_^;
Commented by beijaflorspbr at 2008-05-31 23:00
★ヨッチーさん
お久しぶりです。お元気そうで何よりでした。こちらからのお客様に圧倒され
戸惑っていらっしゃるのではないでしょうか?熟女ばかりですものね~♪

ルス駅の歴史は古く、これもコーヒー景気の象徴でもあったようです。
州政府が権力を示すために、思いきりお金をかけて建てたようです。
英国っぽいのは、エンジニアも素材も英国製だからでしょうか。
興味深いですね!次に来られた時は是非見学をしてみてくださいね。
Commented by beijaflorspbr at 2008-05-31 23:03
★かしましさんへ
この江戸時代の工芸展は、特別展示なので、本当に素晴らしく見応えが
ありました。並みの美術館よりも充実していました。
私の好きな陶磁器もたくさん展示されていました。
日本人であれば喉から手が出るくらいの作品群です。

24時間かけてこちらにこられても十分楽しく過ごせるでしょう。
一度はどうぞ、他にもRio de Janeiroや、イグアスの滝など…
見応え充分です。カナダの次は南米にどうぞ!私がいる時にしてね~♪
Commented by beijaflorspbr at 2008-05-31 23:08
★dinoさんへ
本当に素晴らしいですね。私はこの駅の前や横を何十回何百回と
通っていましたが、中に入るのは初めてでした。驚いてしまいました。
お友達のプロのガイド(この方もメンバー)三の説明をおききしたら、
その時代の歴史的背景が手に取るように分かるので興味深かったです。

備前は、両親が岡山に赴任していたので、何点か所蔵しています。
同じような色でも、好きな色というのがありますよね。作風も作家によって
微妙に違いますし…展示作品はそれはそれは素晴らしいものでした。
江戸時代のものですものね。その花器の前で何十分も立ち止まっていて
不審な顔で見られてしまいました。芸術が分からないのですねえ~。。
Commented by cookery-world at 2008-06-01 01:24
駅も美術館も大きくて立派な建物ですね。 駅はロビンさんが仰るように、見ていてロンドンの駅みたい~と思いました。 そちらもそろそろ涼しくなってきましたか? どうぞ温かいもの食べてお元気で! ギリシア料理ごはんのアップも楽しみにしてます♪
Commented by あられちゃん at 2008-06-01 01:29 x
素敵!素敵!どこも美しいわ♪
だいたい、古い建物が、今も使われていることに感動!
古いビルや家が、今でも使われているって日本じゃ、ほとんどないので
とっても美しいと思ってしまう。
おまけに緑いっぱいの公園。
おまけにロンドンっぽい、レトロな?駅。どれもこれも美しいわ。
この駅って、映画の・・・・う~~ん、なんだっけ?
駅から妖精に国に入っちゃう・・・お~~い、おりーぶちゃん。
なんだっけ?その映画に出てくる駅みたい。
ロンドンの、そのパディントン駅?だったのかな。
それに比べて、日本の駅の機能的なばかりで味わいのないことったら。
古い建物は、どんどん壊され新しい建物に変わっていく。
街そのものが改造されてしまうことも珍しくなくて、日本って、もう美しくないと思ってしまうのです。
地震国だから、建て替えが必要だったりもするのだろうけど。

それにしても小学生がデカイ!!
Commented by しゅう at 2008-06-01 05:47 x
一度行きました!
閉まってましたが・・・月曜は日本と同じで休館日なのですね。
結局公園の周りを一周して帰りましたが・・・

それ以来行ってないのです。
ブログを読んで絶対行きたくなりました。

う〜ん楽しみが増えた。
臨場感のある情報!ありがとうございます。
Commented by beijaflorspbr at 2008-06-01 18:05
★cookery-worldさんへ
いつも車で通っていただけでしたが、治安があまり良くないと聞いていたので、
なかなか行けませんでした。皆さんと一緒だとあまり怖くなかったので、
やっとこの界隈をお散歩できました。思ったより駅舎も立派でした。
またゆっくりと訪れてみたいと思いました。

昨日は10℃ちょっとと急激に冷え込んでいて寒いです。
おでん風!?煮込み料理でほっこりと温まりました。
ギリシャ料理もなかなかのものでした。豪快というか大胆というか…。
Commented by beijaflorspbr at 2008-06-01 18:12
★あられちゃんへ
確かにロビンさんが仰るように、この駅はロンドンのPaddington駅に
似ているようなきがしてきました。鉄を豊富に使ってあり、今高騰中の
鉄業界の人が見たら垂涎の的になるかもしれませんね。

決して日本とは比較できませんが、一部、新橋駅や東京駅のように
昔の建物を復興させる動きも出てきているのは嬉しい限りです。
映画はあまり観ないので詳しくなくてごめんなさ~い^_^;
Commented by beijaflorspbr at 2008-06-01 18:15
★しゅうさんへ
5月22日に一部「着物・小袖」の展示物が総入れ替えされたようです。
とても見ごたえありますのでぜひどうぞ!はい、月曜日だけはどこも
閉まっています。全世界共通なのかしら?

6月22日まではもう少し時間がありますので、是非とも行ってみて
くださいね。日本人であることを誇りに思えること間違いなしですよ!
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