ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

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2017年 11月 13日

命を繋ぐということ

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久しぶりに再会した友5人で楽しいランチ会をした。前菜・メインと流れるようなサービスを受け、ほんの少量のアルコールの入った我々は饒舌になっていたかもしれない。話が弾むうちに、「亡くなった・・・」というフレーズが耳に入る。「誰が?」「実はね、うちの主人なの。今からちょうど一年前のこんな時期に突然旅立ってしまったの」その前に、私は不用意な発言をしてしまった。「もしも夫が亡くなったら、あの家を売って日本に帰り悠々自適な生活を送りたい、それが私の夢!」と。夫を亡くした人の前で言うことではなかった。いつもはつっけんどんに言っていても、どれほど夫の存在に頼り切って感謝していることか。そんな大黒柱を失ってしまった友の哀しみは如何ばかりだったことだろう。皆とは最後まで笑顔でいたけれど、別れたあと、梅田の商業施設の最上階の庭園に昇り、沈む夕陽をじっと見ているうちに涙がこぼれてきて困ってしまった。「ここは夫と一緒に良く来たのよね・・・」そんな言葉を思い出した。友はもう二度と「夫」と一緒に歩くことはないだろう。永遠の別れをした友を想い、ただただその場で泣いた。。。知らなかったとはいえ、一言のお悔やみも励ましの言葉も言えずに今日まで来てしまったことに腹立たしい思いさえした。夕日が沈み、真っ暗になってしまった空を見上げて、そうか・・・大切な人を失うと言うことはこういうことなのだ。思い出は残っても、二人で共有することが二度とできなくなるんだ。声を聴くことも姿を追うことも相談することも頼ることすらできない悲しみを一生背負って行かねばならないのだ。そう思えたのは友のお蔭かもしれない。今目の前にあるものを大切にしないといけない、と教えられたような気がした。別れは辛く悲しいことだが、遺された家族は生き続けなくてはならない。きっぱりと前だけを見つめている友は逞しくて神々しかった。Aちゃん、遅ればせながら、心からお悔やみを申し上げます。合掌
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by beijaflorspbr | 2017-11-13 22:40 | 人生


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