ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

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2016年 08月 19日

ブラジル人が今怒っていること…

昨日の吉田沙保里選手のまさかの敗戦はとてもショックでした。実は、ブラジルのテレビは同じ時刻にセーリングで金メダルを獲ったブラジル選手たちの表彰式の模様を延々と流しており、実戦は観られませんでした。表彰式が漸く終わり、観客の模様を延々と流した後、レスリング会場に切り替わった時は、既に表彰式。選手入場で「あれ?順番が違う…」と感じました。それに吉田選手が下を向いて泣いている。。。あれ?もしかして負けたのかしら?もう頭の中は???だらけ。あの霊長類最強女子が負けることがあるんだ、本当に意外な結果に何より吉田選手本人が一番驚いたことと思います。
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しかしながら、どうでしょう。吉田選手がいるから、人々はレスリングと言うスポーツに目を向けるようになったし、吉田選手の人間性に触れるたびに、どんどん彼女の人間らしさやユーモアを好きになって行ったのではないでしょうか。そして、彼女に憧れ後に付いて行っている後進たちが今回金メダルの快挙を成し遂げました。世代交代の時期が来た、と言うコメントも目にしましたが、まだまだ吉田選手に残された使命は大きなものと信じます。「ごめんなさい・・・」と彼女は何回も誤りましたが、私たちこそ「ありがとう、お疲れさま」と心からお礼を言いたいと思います。誰もが成し遂げられないことを淡々とこなしてきた中には、大変なプレッシャーがあったこととお察しします。これからもどうか頑張ってください。心から応援しています。銀メダルを下げて、笑顔で堂々と日本に帰国してください。銀メダルだってなかなか到達しない高い目標なのですから。
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それと、表題の「ブラジル人が怒っている事件」とは、米国の水泳選手4人が強盗に遭ったと嘘の証言をし、捜査当局の最高責任者が防犯画像と共に「事実誤認」と認められたこの事件についてです。この模様を、現地ブラジルのマスコミは長い時間をかけて丁寧に検証し、ニュースとして流し続けています。「ブラジルは怖い、リオは犯罪の街だからやっぱりね」という万人の先入観から、一番最初の報道は忘れもしない「金メダルは奪われず無事だった」と言う文字を目にした時、夫のトリオさんが「ん?これちょっとおかしいよ。何か他の事実が隠されているんじゃない?」と言いました。長年そう言った事例をたくさん見聞きしてきた専門家には、米国選手の証言の矛盾に直ぐに気付いたようです。何を隠そう、今のリオはオリンピックの真っ最中ということもあり、ありとあらゆるところに防犯カメラが設置されており、警備も軍隊を動員してより厳重になっているはず。米国水泳選手4人が立ち寄ったガソリンスタンドにも当然複数の防犯カメラが設置されていて、全て公開されました。その映像は目を覆いたくなるような狼藉の数々…。酔っていたからとはいえ、普通の人間だったら到底できないことです。捜査当局の更なる詳しい捜査が行われるのを待ちたいと思いますが、実にみっともなく恥ずかしい事件でした。世界中のマスコミが大々的に報じている割に、日本の報道が地味目なのは何故でしょう?事実を隠すことなく暴き出して、誠実に命を懸けて防犯に努めているブラジルの保安関係者たちや国民に謝って頂きたいものです。オリンピック選手だからと慢心し、何をやっても許されるなんて思わないで欲しいと思います。警察当局に連行された米国人選手2名に、怒ったブラジル人が「Mentiroso!!(ウソツキ)」と罵声を浴びせていました。リオオリンピックも後3日を遺すばかりとなりました。こうなると、何となく寂しい。残りの競技を楽しみます。ニッポンガンバレ!今日はサンパウロのコリンチャンスアリーナでサッカー女子3位決定戦。明日午後1時からはいよいよ男子サッカーブラジル対ドイツの決勝戦がリオのマラカナンスタジアムで行われます。W杯の雪辱が果たせるか…。


by beijaflorspbr | 2016-08-19 22:41 | ニュース


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