ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

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2011年 11月 11日

NPO法人 愛伝舎へ

長い間サンパウロに関するブログを書かせて頂いているお陰で様々なジャンルの方との出会いがありました。今日書かせて頂く、三重県鈴鹿市にある愛伝舎の理事長の坂本さんからある日メールを頂戴しました。坂本さんは、11月6日にサンパウロで行われたCIATE(Centro de Informação e Apoio ao Trabalhador no Exterior=外国で仕事をする労働者のための支援機関)に招聘されました。そのため、インターネットでサンパウロに関する必要情報を集めているうちに、私の拙いブログが彼女の目に留まったそうです。何度かのメールでのやり取りの後、せっかくの機会なので坂本さんたちが日々真剣に取り組んでいる「愛伝舎」についてお話を聞かせて頂こうと名古屋の帰りに鈴鹿に寄らせて頂きました。事務所の窓からは壮大な鈴鹿山脈を見ることができます。
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坂本さんは1993年にご主人の仕事で3歳の娘さんを連れてサンパウロ郊外に住み、滞在中に息子さんを出産されました。1998年に帰国し、2002年に鈴鹿市の公立小学校の講師になりました。教え子の中に、日系ブラジル人の父親が派遣切りに遭い、派遣会社の借り上げアパートも追い出されるという事態に直面しました。行政に連絡しても何も力になれないというので、知り合いの伝手を頼ってその家族を助けました。これを契機として、外国人の生活をトータルで援助するセーフティーネットが日本には全くないことを実感しました。悲しいことが目の前で起こり、何とか手を打たなければいけないと思っているところに、行政書士・地元小学校で日系人の子どもたちを支援していた日系人の女性と知り合い、NPOを立ち上げることになりました。活動を始めた当初、外国人支援活動のためには、どうしても行政の力を借りなければ何も出来ないことに気づきます。三重県選出の岡田克也さんと会い、民主党内で外国人問題の作業部会で座長をしていた中川正春さんを訪ねるよう助言されました。中川さんも偶然地元選出の議員で、大変喜び地元の日系人のお祭りや外国人住民との意見交換も積極的に参加してくれました。そのうちに、坂本さんは市会議員、県会議員にも活動を見てもらい、積極的に政治に働き掛け外国人の生活問題をサポートする活動を地道に続けてきました。そのうちに企業やメディア、他のNPOや研究者とも繋がりを持ち、2009年には経済産業省が選定した、社会的課題・地域の解決を目標として事業展開している企業やNPOなど「ソーシャルビジネス55選」の事業者に選ばれました。主な活動内容は、
◎日本語教室
 ●生活者のための日本語教室
 ●就業のための日本語教室
 ●介護ヘルパーのための日本語教育
◎生活適応セミナー
 ●公営団地生活ガイダンス
 ●外国人住民アドバイザー事業
 ●生活オリエンテーション
◎外国人介護人材育成事業
 ●日本人本邦就労者帰国前技術研修(介護分野)
 ●外国人向け訪問介護職員ヘルパー2級養成事業
 ●介護分野における外国人地域人材育成事業
◎シンポジウム・ネットワーキング
◎情報発信・メディア取材・講演など
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なるほど、日本に住む外国人にとってはどれもこれも必要なものばかりです。非常に内容の濃いお話ばかりで、全てをここに書くのは不可能ですが、私の率直な感想は「何故そこまでして日本に住む外国人のために力を尽くしてくださるのだろう」と思ったことも事実です。坂本さんは活動を続けているうちに支援者がたくさん現れ、活動の幅が広がって行ったそうです。皆さんのご協力のお陰で結果を出せるようになったのではと謙遜されます。それでも国会議員を始め、三重県や地元鈴鹿市をも応援に付けることが出来る実力は他に類を見ないのではないでしょうか。例えばブラジル出身の日系人や非日系人のほとんどは自動車産業やその下請けなどの製造業で働き生計を立てていました。2008年のリーマンショックで多くの日系ブラジル人が派遣切りなどで解雇され、無念の帰国をしました。坂本さんは純粋に、果たして日系人の仕事先は製造業だけで良いのか、と考えられたそうです。慢性的に人手の足りない介護部門で日系人の雇用を新たに創出できないかと考えました。私もサンパウロに住んでいて良く感じることですが、ブラジルに住む方は心根の優しい純粋な方がとても多いのです。子どもたちの同級生のお母さまたちは日系人が多く、どの方もステキな人ばかりでした。介護には優しさが必要です。これからも愛伝舎で講習を受けた介護ヘルパーさんたちががたくさん生まれ、鈴鹿市を中心に活躍の場が広がって行くことでしょう。今すぐ結果は出なくても、この地道で真面目な取り組みが必ず功を奏すると確信します。出来ればこの活動が全国に広がって行くことを望みます。大変感銘を受けた「愛伝舎」での貴重な時間に感謝いたします。お忙しい中、長時間お相手して頂いた坂本さんありがとうございました。理事長の坂本さん、今頃はサンパウロでお忙しい日々を送られていることでしょう。お土産話を楽しみにしております。
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これから介護研修を受けられる皆さま、ステキな笑顔を利用者さんにお届けできますよう、お祈りしております。何があっても頑張ってくださいね。

NPOが問題を伝え、議員が議会で質問し、行政が予算を付け、NPOが活動する。マスコミが広く社会に伝えて行く。それぞれの立場で社会を変えて行く。21世紀の社会モデルを作りたい、そう考えています。
(マガジンアルク誌より抜粋)
今私たちが社会のためにできることは何なんだろう?強く強く考えさせられたNPO愛伝舎での貴重な時間でした。

by beijaflorspbr | 2011-11-11 15:39 | 移民&日系人 | Trackback


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