2009年 02月 05日
昨晩テレビ朝日の報道ステーションを娘とともに見た。新聞の見出しに「日系ブラジル人」という文字をみつけたからだ。 内容を見ていて、こんな悲しいことがあるなんて!と娘とともに嘆いたが、今の日本の現状は同じ日本人をも助けることができない厳しい状況だ。ブラジルに帰る片道飛行機賃がないからホームレスをしている。日本政府は使い捨てにしないで我々を救ってくれと日本語ではなくその全てをポルトガル語で表現する彼らは可哀想だと思うけれど、何故少しでも日本語を話さないのだろうか。ここはブラジルではなく、日本なのに、日本語を覚えようともせず、学ぼうともせず「ただ稼ぐだけのために」「お金だけのために」安易な気持ちで日本に来た人たちのつけが今もっとも厳しい形で回ってきたのではないだろうか。という意見を娘に言ったら「ママ、そんなに冷たく言わないで。誰だってこんな立場になったら余裕を失い、少しは日本語を話せても出てこなくなるよ。何とかできないかしら?ボランティア通訳したいな」などと言っていた。彼女は心の優しい子だ。同じ日系人として危機感を覚えているのだろう。 先日私がブラジルのある会社に行った時に、出稼ぎ日系ブラジル人の話題が出た。「今ね、ブラジルに帰ってくる飛行機の座席が満席で取れないのよ」と話すと、「ん?その人たちってブラジルに帰ってきて何をするつもり?ここも仕事がないのに!」と口々に言っていたが、それも紛れもない事実だ。バイオエタノールブームや投資ブームで一握りの富裕層は潤ってはいるが、一般の市民は経済的余裕のない人が多い。一番苦しんでいるのが私たちのような中流家庭だ。税金が高くて、その負担が重く圧し掛かる。給料も当然あまり上がらないのに、インフレで物価はじわじわ上がり、日々の生活を圧迫する。こんな厳しいブラジルに帰って、果たして仕事が見つかるのだろうか。 3月までに首を切られる日系人は全体の80%だそうだ。今全国の刑務所には何千人もの日系ブラジル人の犯罪者が勾留中で、ここも通訳が足りないそうだ。これ以上、バカなことを考える人間が出てこないことを祈るのみ。かといって、どんな解決策があるのか。30万人もの日系人が海を渡ってきた背景とその後を徹底的に解明し解決策を考えるべき時がきたのではないだろうか。ブラジルに進出している日系企業に、日本にいる日系人工員を「逆採用」してもらうなど。トヨタ・ホンダは大きな工場があるので、そのような可能性はないのか、関係者に再考をして頂けないだろうか。ガンバレ、日系人。「Dekassegui」というのがポルトガル語になっているくらい浸透してきた出稼ぎさんたちの行く末が本当に心配だ。 それにしても、日本語を学ばない日系人たちははっきり言っておかしいとも思う。私だって、33年前にブラジルに渡った時は必死でポルトガル語の勉強に励んだものだ。何度も恥ずかしい思いをしながら泣きながら真剣にポルトガル語を覚えたものだ。日本語を話さない日系人たちが、片言でも良いから日本語を話し始めた時初めて日本国民から救いの手が伸べられるのではないだろうか。コミュニケーションほど大切なものはないのだから。
by beijaflorspbr
| 2009-02-05 06:52
| ニュース
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Comments(12)
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ロビン
at 2009-02-05 07:47
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ハチドリさんの仰る通りですね。10何年も日本で生活してきて、全く日本語が話せないというのが解せません。とは言うものの、海外で生活する者としてよく分かるのですが、ここでも、日本のテレビを観て、日本人社会にどっぷり浸かって、英語を話さずに生活することは可能ですものね。彼等も日本語が話せない、なので、職場の日系人とだけ交わる、スーパーなどでは言葉を交わす必要がない云々という生活を続けていたのでしょうねえ。ましてや、日本語を習う経済的な余裕というのもあったかどうか疑問です。あれば貯金や仕送りにあてていたのではないでしょうか?私も主人がイギリス人じゃなければ、このコスモポリタンなロンドンで、イギリス人と交わることがなかったかもしれません。だって、イタリア人やフランス人といった欧州の人と結婚して、全くイギリス人と関わっていない友達もいますもの。
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こんにちは、ハチドリさん。
大変な世の中になっています、これからますますおかしくなるのではないでしょうか、久米宏さんの番組を見ていて終身雇用、70歳まで年功序列 、残業なし、休暇は年間27日、社長も従業員と一緒に食堂で食べ、従業員はこの会社のために働く意識をしっかりもっている。こんな会社が日本に40年も続いているんです。今回のような事があってもびくともしない幸せそうな従業員の顔が見られました。日常の取り組み生活生き方なんですよ。日本の大企業は、これからどうなる?
日本で生活するには日本語は絶対必要です
ほとんどの日本人は日本語しか話せません(私も同じ) 大企業での流れ作業は人間を道具の一部として使っていたのですから 言葉なんか必要なかったのかもしれませんね しかし大部分の企業は中小企業、あるいはサービス業 日本語でコンタクトがとれなければ就職先はとても少なくなります 私が元勤めていた会社には中国人が数人働いています 彼らの話す日本語は日本人とほとんど変わりません それに私より日本語の理解力がいいんですよ それにしてもこの大不況の時代、弱いところから排除されますね 人ごとではありません私も餓死しないように気をつけなくては・・・・
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Jack
at 2009-02-05 23:45
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ママの言うとおりだね。
MIXIで日本人の友達が、そのブラジル人達をためにボランティア募集していたが、水をさすようだったが、ママの言ってるようなことを書き込みました。 正直、自己責任の人が多い。車買って改造したり、最新の家電製品買ったり、でっかいテレビ買ったりしたり、貯金しないで日本語覚えなかったり。。。 確かに人生を楽しむのは大事。それによって、普段体験できないようなこと体験して、今後の人生に役に立つかもしれない。しかし、見たところ、その投資は失敗の例が多いようだ。それで、Passeataして、政府に何とかしろ!ってなによ 。 しかも、教育、自立などの看板もってて、サンバ踊って歌ったり、笑顔でやってるし。。 教育なんか、さがせば、日本のあっちこちの公民館とか無料の日本語教室が昔からあった(俺の嫁もそこに言ってる)名古屋の市役所のHP見てると、外国人支援の取り組みいっぱいある。今まで活用しなかっただけだ。 後、自立はちょっと笑った。政府になんとしろと訴えて、自立をは何よ、自立。。。 書きたいことはまだいっぱいあるが、たぶん、ママは何を言いたいか創造つくと思うから、ここら辺にしておきます。 では!
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beijaflorspbr at 2009-02-06 06:24
★ロビンさん、実は色々な方のご意見が聞きたくてこの記事を書きました。今あちこちで話題になっていますし、先日は出稼ぎ日系ブラジル人たちが東京の目抜き通りをデモ行進した、とあったからです。支援しろと言ってもこの場合は日本政府ではなく、彼らを雇い入れた企業と、暴利をむさぼった派遣会社が最後まできっちり責任を取るべきでしょう。突然の解雇はあまりにも可哀想です。
海外にお住まいのロビンさんの視点はなかなか鋭いものがあります。確かに海外に住みながら特に不自由を感じないというので勉強もせず日本人とばかり交流しなかなか言葉も覚えず、という人は私の住むサンパウロにもたくさんいます。私はお手伝いさんを使うのに覚えたようなものですが…日本語を習う経済的余裕がないのは確かですが、浜松や豊橋、滋賀県、千葉県などありとあらゆるところで、自治体やボランティアが無料日本語教室をやっています。それに本来ならば強制的にでも通わないといけないのに、目の前の生活に追われて勉強を怠ったのかもしれません。ロビンさんのご指摘はそのまま我々海外在住者に当てはまるものです。貴重なそして的確なご意見を頂きありがとうございました。
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beijaflorspbr at 2009-02-06 06:33
★Toppoさん、おはようございます。久米宏さんの番組は見そびれてしまいました。ちょっとチャンネルを回したものの、私はあの竹中さんがあまり好きではなくて。小泉改革の構造路線の時に、あまりにも無謀な改革を急激にやり過ぎたと今でも強く思っているのでどうしても好きになれないのですが、番組の内容はとても良かったようで見逃してしまい残念でした。録画しておけばよかったですね。今でも元気な企業はおそらく国内にもたくさん存在すると思います。それは従業員を大切にし、仕事に誇りを持ち、上下の関係も比較的緩やかでなによりその会社で働けることを誇りにする、というのが理想的なのでしょうね。果たしてどれほどの方がそのような仕事に出合えるか、ふと先日見たサンパウロ在住日系二世の新垣さんを思い出してしまいました。
> 日本の大企業は、これからどうなる? 確かにどうなるか不透明ですね。私が本当に驚いているのは、日本企業はもう少し強いのかと思っていました。昨日経営破たんした日本綜合地所なども2008年3月の決算では過去最高益だったというではありませんか。恐ろしい世の中になったものです。上手に生きて行きましょうね、Toppoさん。
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beijaflorspbr at 2009-02-06 06:43
★ひささん、お久しぶりです。いつもハチドリブログを応援して頂き、ありがとうございます。ひささんのおっしゃる通り、人間が外国で暮らすためには「その国の言葉を覚える」のは必須条件ですね。ひささんの仰るようにたいていの日本人は日本語しか解しませんからね。工場で働く分には通訳を置いてその都度仕事を丁寧に教えたら良いわけです。日系人は元々真面目で手先も器用な人が多いので、企業としては重宝したと思いますよ。しかし日本語を覚える余裕がなかったのか、勉強をする気がなかったのか、残念な結果に終わってしまいました。まさに人間も使い捨ての時代になってしまったのでしょうか。私は日本人とブラジル側の人、双方の気持ちがよく分かる立場として今は何とかこの苦境を乗り切って欲しいと願っています。とりあえず帰国運賃くらいは追加で稼げるようになると良いのですが。
ひささん、何ですか!餓死しないように…だなんて。真面目に長年積み上げられてきたことは皆知っていますよ。これからは平和な毎日でありますように、お祈りしております。
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beijaflorspbr at 2009-02-06 06:54
★Jack、コメントありがとう。同じ日系二世としてのJackの考えが明確に分かり嬉しかった。出稼ぎさんたちは、稼いだら稼いだだけ自動車や電化製品につぎ込んでしまっていたのね。いつか掲示板に書き込まれた内容の「オーディオ製品を除けて布団を敷いている」っていうのもあながち嘘じゃなかったのね。
私もPsseata(=デモ行進)の時のベビーカーやサンバには違和感を感じたね。いくつかのTVが取り上げたけど、それだけだったね。何も好転していない。確かに自治体も支援の輪を広げていると思う。私の友人も日本語を教えるボランティア活動を長年してるもの。私も娘も何か役に立てつことはないのだろうかといつも話し合っているところ。Jackのように、ちゃんと勉強して仕事を授かり、結婚もし家まで買った人もたくさんいると思う。影の部分にだけ注目しないで、あなたたちのような成功例もたくさんあるということを世間に知らしめたいね。お仕事頑張って、奥さんと幸せにね~♡いつか会おうね!
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cookery-world at 2009-02-07 17:57
パソコンが壊れてしまって、自分のではないパソコンでブログ更新だけはしていたものの、なかなかこちらへ伺うことができず、出遅れてしまいました~。
これはホントに根深い問題ですよね。 言葉のつうじない国に出稼ぎにやってきてなんとかなると思うほうも思うほうですけれど、派遣でたくさん安く人材と確保と思って呼び寄せたほうも呼び寄せたほうなので、双方に問題アリだとは思いますけれど、やっぱり来てしまったほうの自己責任にちょっと比重がおもくなるような気もします。 言葉ができたら、他のシゴトの可能性もあるかもしれないけれど、ぜんぜんできなければ難しいですね。 日本に居ても、国に帰ってもなかなか明るい先が見えずに困るでしょうけれど、なにか解決の糸口がみつかることを祈ります。
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beijaflorspbr at 2009-02-08 09:04
★cookeryさん、そんな時にご訪問を頂きありがとうございました。パソコンにも寿命があるのでしょうか。早く直ると良いですね。
確かに出稼ぎや非正規労働者の問題は深刻です。一概にどちらのせいとも、もちろん政府のせいとも言えませんが、このような深刻な問題が起こってしまったことを踏まえて、これからの課題にして頂きたいですね。日本語がネックになっているのに勉強をしない。私たちが海外に住むとなれば、一生懸命勉強をしますよね。英国に留学されていたcookeryさんなら良く分かると思います。日本に居残る出稼ぎさんの今後の課題は、日常会話程度でも良いから日本語を学ぶ、というtころから始めて欲しいですね。皆が幸せになれる方法ってないのかな?なんて最近よく思います。
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SUSAN
at 2009-12-04 19:06
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子供のころ父親の駐在でリオに住んでいたので、自然とポルトガル語がみにつき、私が会社員していた時期に父は今度はトップとしてサンパウロオのパウリスタでノベーラさながらの待遇でした。 父にいつもビジネスでは英語だから英語力をつけるようにとうながされ、ポル語から英語は入りやすく、会社でも英訳・電話通訳もするようになりました。 でも言語なんて単なる手段だし、仕事にどう影響するかで、そんな単純なことでもないですよね。
今は証券マンと結婚して、私は関東にいますが、もう途上国には絶対すめない。 ブラジルのころの幼馴染で 日系人あるいはブラジル人である程度裕福で英語に不自由されなければカナダとか欧米に今は移住されている人多い。 出稼ぎにくる方の中で歯医者さんもいて資金めぐりに困ったのかもしれませんが、ブラジルも厳しい国ですよね。 ブラジルは行かないとmagicalな良さはわかりませんよね。 でも今度オリンピック開催地がリオで何かが変わるかもしれません。 希望と祈りを込めて
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beijaflorspbr at 2009-12-05 00:50
★SUSANさん、初めまして。
そうですか、ご幼少の頃からブラジルと縁がおありになったのですね。お父様の仰るように、「英語力」はとても大切だと思います。何を学ぶにしても、文献には英語表記のものが多く、私の娘たちにも英語力強化を強いてきました。誰にでも向き不向きはあるもので、SUSANさんのように容易く英語を身につけた長女と本来の学問(歯学)で忙しくて英語学校を止めてしまった次女の間には英語力に差はあります。 確かに出稼ぎさんの中にはエンジニアの他、医者、歯医者もたくさんいて、開業資金を稼ぎにいくのだそうです。今は日本も不況でなかなか仕事すらない状態ではありますが、希望の星だったはずです。 「途上国には住めない」とのこと、しかしながら途上国には途上国の良さもあるのかな?と私は思います。そんな魅力を見つけるのが使命と思って日々文章を綴っております。今一度この地に足を踏み入れられたら間違いなく人生観が変わると思います。これからも宜しくお願いします。 |
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ブラジル・サンパウロ生活48年のハチドリです。ごく普通の日々を元気いっぱい綴ります。記事内容や、ご質問・お問合せは、連絡用メールアドレス…【beijaflorspbr●gmail.com(●を@に)】まで。※なお、本文に必ず氏名(本名)をお書きください。 by ハチドリ カレンダー
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