ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

beijaflors.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 01月 13日

パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光

サンパウロ日記が話題満載のため、パリ旅行記が停滞しておりました。まあボチボチ記憶が飛ばないように書き留めていきたいと思っています。気長にお付き合いください(といってもこの旅行記も終盤戦ですが…)。さあ、楽しみにしていた一日バス観光の日がやってきました。毎回パリ滞在時は、最初から最後まで兄たちに頼りきった毎日を過ごしますので、ツアーというものに一度も参加したことがなく興味津々でした。前夜はまるで遠足に行く小学生のようで、バッグにお菓子などを兄の奥さんのフーさんに詰めてもらい、何度も持ち物をチェックするなど、ウキウキ状態でした、後は寝坊しないことを祈りつつ…。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_7254537.jpg
行き先はノルマンディー沖に浮かぶ巨大な孤島、それがまるごと建物で覆われて一つの巨大な要塞のように見えるという、フランス屈指の観光地モンサンミッシェルです。年数回の満潮時には、海に囲まれた孤島となってしまう、カトリックの四大巡礼地ともなっている聖地でもあります。1979年にユネスコの世界遺産に指定されました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_7263613.jpg
ここはパリ市内から車で5時間ほどかかりますので、個人ではなかなか行きにくいため、マイバスというJTB系のパリ支店に行って申し込みをしました。その当時の料金は160ユーロでした。他にもヴェルサイユツアーや、ロワールの城巡り、夏場にはジヴェルニー(画家クロードモネの家)などのツアーもありました。もうこれら3か所には連れて行ってもらいましたので、残りはモンサンミッシェルだけとなっていたのです。個人的には、ボルドーやシャンパーニュ地方などの田舎をゆっくり巡ってみたい願望はありますが、もっと先の楽しみとして取っておきたいと思います。時期が時期だし、バスはガラガラだろうと想像していたのですが、意外や意外、卒業旅行の大学生がたくさんおり、私一人で平均年齢を上げているような若い元気な方々ばかりでした。マイバスの事務所からは2台50名で出発しました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_342054.jpg
パリを出たのがまだ暗い朝7時半。事務所でお握り2個とエビアンを配られ乗車。私は一人旅なので、悠々と好きな場所をひとりで占領。大体の人が一人一列を使って、ゆったりバスの旅を楽しんでいたようです。朝出る前に納豆ご飯と漬物、前夜のおかずをたらふく食べたにも関わらず、乗車してすぐにお握りを食べ、持参したみかん・チョコ・お煎餅・とろろ昆布!?などを食べ、食べ疲れたところで一休みしました。時々は目を開けて車窓からフランス郊外の農村風景を堪能しました。フランスは農業国なのだ、ということを再認識させてくれる光景が延々と続きます。途中のドライブインで1回トイレ休憩があります。助かった。。。ここでミシュランの地図を買い、改めてモンサンミッシェルまでの道程を確認しました。バスで350キロ強、所要時間は4時間半で目的地に着きました。バスの車窓からだんだん大きく見えてくるモンサンミッシェル、ちょっと感動しました!
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_3451927.jpg
バスから降りてやっと全貌がはっきり見えました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_7375436.jpg
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_7414792.jpgモンサンミッシェルは、中世(708年)に建設計画がもちあがり、966年に修道院が建てられました。本格的に今のように海と城壁に囲まれた建物が建てられたのは13世紀のことでした。14世紀の英仏百年戦争の際には、城砦として利用され、18世紀のフランス革命の際には、監獄として利用され、「海のバスティーユ」と恐れられた場所だそうです。入口に大砲が展示してあり、当時の歴史を彷彿とさせます。世界遺産とはいえ、中のお城は簡素な造りです。満潮になると、誰も城には入れないそうです。到着したのが12時でしたので、すぐに昼食を頂きました。サンピエールというレストランで、フルコース(と言っても団体旅行にありがちなお仕着せ料理)を頂きました。

パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_748481.jpg
前菜は魚介類のパイ包み・メインがハムに野菜のラタトィユにフライドポテト(フランスではご飯にする?ポテトにする?という感じで主食化しているのですね)、デザートはリンゴのタルトでした。これにリンゴ酒のシードルが1杯付いてきます。お代わりは別料金とのことでしたが、この甘ったるい感じがあまり好きではなかったので、1杯だけ頂きました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_3513781.jpg
本当は、この地の名物料理は卵3個を使ってフワフワに仕上げる巨大オムレツなのですが、オプションなので、兄から「大きいし食べきれないし高いから注文するなよ!」と言われていたので、私は注文しなかったのですが、隣りにいた若い一人旅のおにーさんが何と注文!「よろしかったら如何ですか?」と勧めてくれるのです!それじゃあ~せっかくですからほんの少しだけ…と、味見させて頂きました。まあほっこりと熱くて美味しいこと!!でも全部はとても食べられなかったので、少しだけ味見させて頂けてラッキーでした。優しいおにーさん、ありがとうございました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_7564436.jpg
たらふく昼食を頂いてそこを後にし、修道院の建物に入りました。中に入ると300段の階段を昇って(当然息切れ!!)上から順番に丁寧にガイドさんの説明を受けながら降りていきました。若い子ばかりなので、階段を上がるスピードがものすごく速くて付いていけない…ハーハー言いながらやっと最後に付いていく始末で…。「はい、最後の方揃いましたね?」って私の顔に照準をあてるガイドさん。ひどい…。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_352141.jpg
長い歴史と、独特の建築様式は、建築を学んでいる方ならば、必見だと思いました。静謐で、簡素、周りの圧倒される景観と相俟って異空間にしばし身を置くことができました。造られた時代によってロマネスク様式からゴシック様式に変わってゆく過程がよく分かりました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_3521662.jpg
一番上まで上ったところで、下を見下ろすと、どこまでも干潟が続きます。海の向こうはイギリス…何とも神秘的な風景です。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_813214.jpg
この干潟を歩くツァーもあるようですが、ズブズブとどこまでも沈み込んでしまうので、絶対に勝手に歩いてはいけませんよ、とガイドさんに釘を刺されました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_3523210.jpg
何とも壮大な光景です、圧倒されてしまいました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_9274458.jpg
尖塔は今修復工事中です。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_3525023.jpg
庭と教会内部 思わず静かに手を合わせたくなります
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_357441.jpg
石の硬い建物ばかりを見ている中で、緑と出会うと、ホッとします。回廊の中に出現する中庭。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_42139.jpg
食堂として使われていたという広々とした空間
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_42193.jpg
昔の建築なのに、本当に素晴らしい造りです。あちこちに彫刻が展示されていました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_424048.jpg
建物を一歩でると、このような風景が目に入ります。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_425562.jpg
スケールが大きくなります!
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_949266.jpg
歴史の重みを感じる建物の中にいる人たち、幾世紀の時代を超えても人々を惹きつけてやみません。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_48819.jpg
建物と干潟が一体となって…いくら見ても見飽きることがありません。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_9525590.jpg
さあ、ここからは階段をどんどん下って行きます
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_482231.jpg
絵のような外壁…。あまりの美しさにしばしば足が止まります。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_483764.jpg
建物の上半分です
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_9553993.jpg
随分高低差があることが分かります。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_485262.jpg
狭い路地には門前市(お土産屋)が並びます。まるで日本みたいに!
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_49839.jpg
見学を終えると、フリータイムが1時間半もあり、手持無沙汰で困りました。とりあえず、兄夫婦に名物のバタークッキーを購入したらすることがなくなってしまいました。後はお土産屋さんの梯子をしましたが、欲しいものがなく困りました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_958393.jpg
他のツァーで来ている日本人観光客の姿も多く見られました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_413898.jpg
お土産屋さんではツァーの名前を聞かれます。これで旅行社にコミッションが入るシステムになっているようです。トイレも有料でした。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_413284.jpg
暇を持て余し、干潟を歩く歩く…。ズブズブと靴が入っていく感覚が楽しくていつまでもズブズブと干潟と遊んでいました。
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_4134343.jpg
干潟遊びに飽きると、今度は後ろを振り返ってモンサンミッシェルの全景を撮影
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_1024312.jpg
もう一枚
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_103747.jpg
おまけの一枚
パリ旅行記 モンサンミッシェル一日観光_f0146587_1033713.jpg
こうしているうちに、やっと集合時間になりました。一日中良いお天気だったのですが、出発する時に、激しいスコールがやって来て、雹がバスの窓を叩きました。すると、ほどなく晴れて綺麗な虹が出てきました。その美しいこと!それを見たガイドさんが、「天使へ続く道」と教えてくださいました。何と素敵な言葉でしょう!途中大渋滞もあり、事故の影響で、予定時間を大幅に超えて、夜9時半にやっと到着しました。家に帰ると、マメご飯・キンピラごぼう・チンゲンサイと油揚げのおひたし・白菜のお漬物(自家製)・トン汁が用意されていました。同じツアーで行った方々はしきりに夕飯の心配をしていましたのに、何と恵まれているんだろう!と改めて兄夫婦に感謝した日でした。素晴らしい景観、フランスの高速の快適なドライブ、色々な世代の方々との語らい、ガイドさんの博識、とても充実した一日でした。さようならそしてありがとう…モンサンミッシェル~~!


by beijaflorspbr | 2008-01-13 08:15 | パリの街角から | Comments(4)
Commented by TOPPO at 2008-01-13 19:21 x
なが~いグログを書き終えた時,ホッとしませんでした?
お兄さんがいらっしゃることで何度も行ってるのでしょう?
モンサンミッシェルに入れなくなるのは、満潮時のときでしょうか?
充実した一日をブログで楽しませていただきました。ありがとう!
Commented by beijaflorspbr at 2008-01-13 20:36
★Toppoさん
本当に長いですね!(笑)こんなに長いの誰も読んでくださらないと思いながらも
書いてしまいました。せっかく行ったし、これからも行く方がいらっしゃるかも
しれませんものね。モンサンミッシェルは、壮大でスケールの大きなところでした。
歴史の重みも感じることができ、旅の醍醐味を味わうこともできました。
読んでくださってありがとうございました!
Commented by cookery-world at 2008-01-13 23:48
なんだかハチドリさんと一緒にモンサンミッシェル一日観光に参加したような気分になりました~♪ 私も長年の憧れだったモンサンミッシェルに去年の夏に行ってきたので、懐かしく写真を拝見しました。 名物オムレツ、味見されたんですね~。 羨ましい~! 私は時間がちょっとお昼時とずれていたので、次に訪れたカンカルでごはんを食べました。 今年の夏にまた訪れる予定があるので、今度はオムレツかな~と思ってます。
Commented by beijaflorspbr at 2008-01-13 23:54
★cookery-worldさん
いいですねえ、そんなに何回も行けて…お商売がらとはいえ、本当に
羨ましいですわ。私は少年のように、乗り物に乗っているのが好きなので
バスでの長旅も全然苦にならず、楽しめましたよ。さすがにモンサンミッシェルは
もう2回は行かないと思いますが…。オムレツよりも、cookery-worldさんの
召しあがったカンカルの魚介類には本当にヨダレ状態でございました(笑)。
いいなあ~いいなあ~と羨ましがってばかりいたら、一緒に付録で連れて行って
もらえますかねえ?(ホンマニこれは冗談デス)私の分も堪能してくださいね!
名前
URL
削除用パスワード


<< 亡き母の夢を見る      パリ旅行記 バトウムーシュに乗る >>