ハチドリのブラジル・サンパウロ日記

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2016年 01月 29日

【地域情報】ブラジルのカーニバルについて学ぶーリオ・デ・ジャネイロのカーニバル

私がブラジルに嫁に来る前から知っていた言葉は『リオのカーニバル』でした。リオがブラジルにあることさえも知らずに「リオ」という言葉を口にしていたような気がします。世界各国から100万人の人々が訪れるまさに世界最大の派手な演出による盛大なサンバパレード、それがリオのカーニバルです。パレードにかけるお金も人数も規模も半端なく、まさに当地リオの方々にとっては「命がけの」パレードになっており、人々の生き甲斐の象徴と言っても過言ではありません。パレードが始まった頃は、主に金満家たちに抑圧された貧困層のお祭りだったものが昇華したのは、昨日書いた通り賞金を懸けた競技に代わってからです。ブラジル人の口癖があります。それは「Depois do Carnaval(カーニバルが終わった後)」この意味は、カーニバルが終わらないと何も始まらないし手に付かないという意味です。私が昔仕事をしていた頃(現在もその仕事は辛うじて続けていますが…)業者に電話をすると、「カーニバルの後にたくさん入荷してくるからもう少し待ってくれる?」というもので、大変戸惑いました。学校もこの「Carnaval」を基準にしています。大学などはカーニバルが終わってから新学期を迎えるのです。如何にブラジルにとって「カーニバル」というのが大切か分かって頂けたかと思います。
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(講演会当日、多美子さんがMangueiraで実際に使った衣装を見せてくださいました)
いよいよ今日は有名なリオのカーニバルに付いて纏めてみたいと思います。

【2016年度リオ・デ・ジャネイロのスペシャルチームのパレードスケジュール表】
細かいタイムテーブルについては、厳格に守られています。もし自分のチームに与えられた時間を越したり足りなかったりすると減点されます。

2月7日(日)

21:00 -ESTACIO DE SA(グループAからスペシャルチームに復活)
22:05-22:22 UNIAO DA ILHA(昨年度第9位)
23:10-23:44 BEIJA-FLOR(昨年度優勝)
00:15-01:06 GRANDE RIO(昨年度第3位)
01:20-02:28 MOCIDADE(昨年度第7位)
02:25-03:50 UNIDOS DA TIJUCA(昨年度第4位)

2月8日(月)

21:00 -VILA ISABEL(昨年度第11位)
22:05-22:22 SALGUEIRO(昨年度第2位)
23:10-23:44 SAO CLEMENTE(昨年度第8位)
00:15-01:06 PORTELA(昨年度第5位)
01:20-02:28 IMPERATRIZ(昨年度第6位)
02:25-03:50 MANGUEIRA(昨年度第10位)

*各サンバチームの2015年の結果についてはコチラをご参照ください。ご覧の通り、順位と言っても小数点単位で決まるため、僅差と言えるでしょう。

【パレードの採点項目】
1Alegorias e Adereços(山車と装飾)
2Bateria(打楽器隊)
3Comissão de Frente(先頭挨拶隊)
4Enredo(テーマ曲)
5Evolução(盛り上がり 進行)
6Fantasias(衣装)
7Harmonia(調和 歌に合っているか ちゃんと歌っているか)
8Mestre-Sala e Porta-Bandeira(チーム旗を守る女性とエスコート役の男性)
9Samba-Enredo(テーマ曲のサンバ)

【パレードの場所】
Sambodromo de Marques de Sapucai
R. Marquês de Sapucaí - Santo Cristo, Rio de Janeiro - RJ, 20220-007
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【サンバやパレードについての色々な知識】ここからは細川多美子さんのお話を纏めてみます。
◎Escola de Sambaというと「学校」とも訳せるが、ことカーニバルに参加するEscolaについては学校ではなく「チーム」である。
◎各チームは毎年テーマを決めて全体の構成を決める。社会風刺や暴力反対など。過去には日本や韓国移民をテーマにしたものもあった。
◎カルナバレスコと呼ばれるカーニバル専門のディレクターが、テーマ、全体の構成、テーマ曲、衣装や配列を決める。
◎サンバは地元文化の要素が入った民族音楽の流れで、欧州のポルカやマズルカにアフロ的な要素を加えてブラジル独特のサンバが生まれた。
◎サンバのリズムは基本的に2拍子。1・2・1・2の2の部分にアクセントをつける。
◎リズムの取り方は、各サンバチームによって多少癖がある。
◎ブラジル各地で、カーニバルを祝う形式は異なる。パレード形式ではなく、市民参加型のカーニバルを行う街も多数ある。
◎サンバ会場のMarques de Sapicayの収容人数は約6万人
◎サンバチームの参加人数は1チーム3,500人~4,000人で、参加者は事前に申し込みをして衣装を買う。衣装代は種類によって多少値段が変わる。
◎参加者はエンサイオという予行練習に参加しなくてはならない。全体練習はQuadraという体育館のような広い場所で行われる。
◎パレードは時間通りに進まないと減点される。入り口から出口までの距離は1キロ。
◎山車はエンジンやモーターを付けたらいけないので、人力で動かす。1チームに付き7~8台の大型の山車が出るので、縁の下の力持ちも多い。
◎Bateria(打楽器隊)は200~400名
◎チーム参加者以外に、Harmoniaというチームをまとめる人々がいて、隊列を時間通りに動かす。この人たちがかなり煩いらしい(笑)
◎パレードに出場する人は、本番前の待機場所には1時間前くらいに着いたらちょうど良い(あまり早く行くと誰もいなくて手持無沙汰)
◎観るのと参加するのでは全然違うので、機会があったら是非パレードに参加して欲しい。あの何とも言えない高揚感は出場者全員の特典!
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【カーニバルの打楽器について】
サンバは以前は主にフルートと弦楽器で演奏されており、打楽器は下品なものと見なされていました。1930年代以降から打楽器が導入されるようになりました。指揮者は3種類の音を出すことが出来るアピート(ホイッスル)で打楽器隊をコントロールします。
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打楽器の種類は、スルド・スネアドラム・ヘピニキ・タンボリンなどがあります。お腹に響くバテリアはパレードの花形なのかもしれません。
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(講演会当日、講師の細川多美子さんのご指導で、会員が実際に演奏をしてみました)
カーニバルは毎年金曜日夜に始まって、翌週の水曜日の午前中までお休みに入ります。今年は2月5日の夜~10日午前中までがカーニバル休暇ということになります。ブラジルにお住まいの皆さま、どうか良いカルナヴァル休暇をお過ごしください。リオのカーニバル中継はコチラのサイトでご覧になれます。中継ですので、上記のパレード時刻を確認してご覧ください。日本とブラジルの時差はマイナス11時間です。この日一生懸命お話を聴かせてくださった細川多美子さん、ありがとうございました。いつも知ったかぶりをしていましたが、こうして実際に毎年参加されている方からの生の体験記は、大変興味深く、また勉強になりました。今年は睡魔を我慢して精一杯観ようと思っています。現地邦字新聞のニッケイ新聞のウェブサイトにもカルナヴァル関連の記事が出ていました。日本から来られたお二人のご健闘をお祈りします。多美子さんもガンバレーーー(*'▽')


by beijaflorspbr | 2016-01-29 22:58 | サンパウロ生活情報


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